※男と女の交わり的な描写があったりするので注意。
この部屋――保健室の前は元々人通りが少ない。放課後ともなればそれは尚更だ。だから、たとえ聴きたくない音だったとしても、それは部屋中に響き渡って私の耳に入り込んで奥を刺激する。
ベッドが重みで軋む音。
いやらしく水が撥ねる音。
そして――、女の喘ぐ声。
耳を塞ごうとは思わなかった。そんなの、自分が負けてみたいで悔しいから。平静を装って、全部聞き流す。……いや、聞き流すのではない。他の事に意識を集中させて、聞いていなかったことにする。私は何も知らない、何も聞いていない。だから、あいつがこの後ここに現れても、しらばっくれてやる。
「何の話ですか?」ってね。
* * *
「先生さ、ずっとここにいたでしょ?」
案の定、西舘は私のところに現れた。まだ春先だというのに、ズボンこそ履いているものの、上はワイシャツを羽織っているだけだった。
「何の話?」
「しらばっくれても無駄―。っつーか、わかっててヤったんだけどね、オレもあの子も」
笑い声を零して、西舘は飄々と言ってのけた。……これだからガキは。大人を気取ってるつもりなのだろうが、私には発情期の猫と同じに見える。本能にまかせて、後先考えず、ただその行為を繰り返す。しかもこの男、連れ込む女の顔ぶれが毎回違うから尚更たちが悪い。
「てかさー、こういうのって先生は注意するべきなんじゃないの? 不純異性交遊、ってやつだし」
「へー、お前そんな難しい言葉知ってたんだねー」
「まーたそうやって話を逸らすー」
行為が一通り終わると、西舘は必ず先に女を保健室から出す。そして必ず私のいるデスクのところまでやってくるのだ。事務スペースは白い衝立で区切られているので、私が相手の女を見ることもないし、向こうも私を見ることはない。
(予想以上にえろてぃっくになったので断念)
(08/03/21)